川原泉の本棚の感想

川原泉の本棚という本を読み終わった。
だいぶ前から、ちまちまと読んでいたのだが、ようやく最後まで読み終わった。

この本は、著者である川原泉さんのおすすめの本のアンソロジーで、9つの作品が載っている。

川原泉さんは、漫画家。
少女漫画で、さまざまなジャンルでコメディ色が強い作風。
個性的なキャラクターや、独特な言い回しが好きだ。
その元となる知識や考え方を知りたいという気持ちもあり、この本を購入した。

紹介されている9つの作品は、どれも知らなかった。
作者は、3人知っていたけど、ほとんど名前だけ…
アイザック=アシモフ、田中芳樹、エドガー=アラン=ポーの3人。
有名なので、本当に名前ぐらい。
田中芳樹さんの本は少し読んだことがあるぐらい。

1番印象に残ったのは、かんべむさしさんの水素製造法という作品。
主人公の男性が、就職のための試験を受けているだけなのだが、面白い。
出だしから、「ここに、一人の馬鹿がいた。」という文から始まり、だいぶ酷いなと感じながら読み進めるとなかなかの馬鹿っぷり。
エンゲル係数とは何か?という問題に、エンゲルについての係数、という答え……
答えが分からないのはともかく、その答えを書けるのがすごいと心底思った。

タイトルの水素製造法に関しても、さっぱり分からない。
でも、何かしら答えを書かなければ、採用には絶対ならない。
そこで、試験に持ち込みOKだった国語辞典から水素の製造方法の答えを考え、書いた。

水素という単語を調べ、分子や元素などとりあえず、問題から分かる単語を調べていき、答えを作る所は本当に面白い。
そして、川原泉さんの作品にも近い面白さを感じた。

最後のオチのところでびっくりし、それがこの作品のインパクとをものすごく高めた。

各作品ごとに、川原泉さんのおすすめ理由などもあり、楽しく読めた。
この本を読まなければ、自分では決して手にとることがなかったであろう作品を読むことができて良かったと思っている。
どの作品もかなり古い作品だったが、それぞれ面白かった。

川原泉の本棚の2もあるみたいなので、機会があれば読みたいな。