失敗の科学という本を、読み終わった。
週に1冊、本の感想を書くという目標が、なんとか達成できて嬉しい。
読むのにかなり時間がかかったけれど、とても面白かった。
この本のテーマは、タイトルの通りに失敗について。
私は、失敗したくないし、失敗を避けるように努力してきた。
それが当たり前だと思っていたけれど、この本を読んで失敗に対する考え方が変わった。
この本の主張は、失敗とは必要なものであり、失敗から積極的に学ばないといけないということだった。
失敗を避け、失敗から学べていない私にとって、大切な本だと思った。
本の中には失敗について、原因や学習についてのいろいろなエピソードが載っていて、どれも面白かったし、とてもためになるものばかりだった。
最初に驚いたのは、「完璧な集中」こそが事故を招くという、第1章失敗のマネジメントに出てくる話。
ここでは、航空機での事故についての話がされている。
私としては、完璧な集中をしているのなら、完璧に対応できていて失敗なんて起きないのではないか?と思ったのだが。
完璧な集中により、時間感覚が歪み、それが事故へとつながるという話を読んで、なるほどなと思った。
私の完璧な集中に対する考えは、ドラマなどからのイメージや、集中力がない私の憧れが入っていたのかな。
次に第2章の人はウソを隠すのではなく信じ込むに出てくる、認知的不協和という心理についての話。
ここでは、信じられないような冤罪に関する話が載っていて、ちょっと怖くなった。
真面目に犯人を逮捕したいと頑張った、そして努力したからこそ、冤罪が起きてしまう。また、冤罪だと分かったのに、それを認められない。
ここで出てきた認知的不協和は、おそらく私自身にも起きていることなのだろう。冤罪の話ほどひどくなくとも、自分のミスを認められず、自分自身をだましている状態が起きている。
でも、それ自体を自分では認識できない。
他にも、第3章の「単純化の罠」から脱出せよにある、「物語」人をが欺くも、興味深かった。
ここでは、刑務所へ不良の少年少女を連れていき、実際の囚人と合わせ、脅し、更生を促すというアメリカの犯罪抑止プログラムについての話が合った。
これは、テレビかネットで昔見たことがあり、過激だけど更生するきっかけになるのでは?と思ったことがあった。
しかし、この本では実際は違ったということが、書かれていた。
しかもそれだけではなく、効果がないどころか悪影響があると分かった後でも、これが続けられたということが問題だった。
子どもたちに、更生しないと取り返しがつかないということを、実際の囚人が語ることで、恐怖によって子供たちが構成するという物語が、これを見てた人たちに素晴らしい成果があったと誤解させ、効果がないと判明してからも、信じなかった。
この本を読んで、失敗から学べるようになりたい、そうしないと成長しない、できないということを強く思った。
そのためには、まず失敗を認め、きちんと失敗を認識しないといけない。
意識しないと人は簡単に自分自身をだまし、自分の過ちを正しいものだと信じ込む。
失敗を認識し、そこから学習すること。
失敗と学習のサイクルを回すことで、成長していける。